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プール監視員の道
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プール熱等の感染症の予防

感染症を予防するには
 汚染原因等の変化を含めた水質管理を行うことで
  水質汚染を予防することが重要です。
・遊離残留塩素濃度の低下に影響を与える項目
 感染症等の予防に重要な強い殺菌力がある遊離残留塩素は、濃度変化が特に激しい検査項目であり、水質検査頻度では次の点を考慮します。なお、ここでは変化の大きい遊離残留塩素濃度についてを着目していますが、 水素イオン濃度(pH値)や他の項目が基準値から乖離しても水質は汚染され細菌などが繁殖します。

 ・気温と水温影響
 水温が上昇するほど遊離残留塩素濃度は揮発により低下しやすくなります。特に水温が30℃を超えると濃度低下が著しいとされています。
 気温が高い場合には、水温上昇も大きく注意が必要です。

 ・日差しによる影響
 遊離残留塩素は、紫外線により分解・揮発するため濃度が低下しやすくなります。
 塩素剤の種類により異なりますが、1時間当り0.6〜1.2mg/L程度分解消失するとされています。

 ・利用者の増加による影響
 プール利用者が増えると、利用者の汗や尿中の尿素によるアンモニアと遊離残留塩素が結合し、殺菌作用の弱い「結合残留塩素」となることで濃度が低下します。


・検査の頻度
 検査の実施頻度は厚生労働省が定める基準に則り実施しますが、外的要因による基準値からの乖離を防ぐため実施するタイミングと回数をプールの実情に合わせて実施します。
 ・厚生労働省の基準
 毎日午前中1回以上
 及び、午後2回以上の測定
 (このうち1回は、遊泳者数のピーク時に測定することが望ましいこと。) 

 ・プールの実情に合わせた実施頻度の検討
 プールの形態 : 屋外プール
 利用者の状況 : 11時〜午後4時頃がピークとなる場合
 実施時期
 ・朝(営業開始時)
 前日の夜間から調整された濃度を把握するため。
 ・11時頃(利用者が多い時間帯)
 気温、水温の上昇と利用者増加に伴う濃度低下を把握するため。
 ・13時頃(気温と利用者のピーク時)
 気温、水温の上昇、日差し、利用者が多いことによる濃度低下を把握するため。
 ・15時頃(水温と利用者のピーク時)
 気温、水温の上昇、日差し、利用者が多いことによる濃度低下を把握するため。
 ・17時頃(営業終了前)
 営業に伴い低下した濃度の状況を把握するため。


 プールの形態 : ジャグジー(採暖プール)
 採暖プール用にジャグジープールがある場合には、他のプールと異なる点に注意します。
 ・水温が高い
 採暖のため水温が高く設定されていることで塩素が揮発しやすく、濃度が低下しやすい。
 ・汚染負荷量が大きい
 採暖のため子供などが利用する場合、汚染負荷が大きくなりがちです。
 ・水量が少ない
 ジャグジーで循環している水量の絶対量(ろ過等の循環系統を含む)が他のプールと比較して少ないため、濃度の上下が大きいです。

 これらの点を考慮し、2時間毎を目安に検査頻度を設定します。
 また、ジャグジーを夜間に停止させる際には、停止前の検査結果を踏まえた検討を行います。
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